ドラマ 『悪の波動 殺人分析班スピンオフ』 関連(3) 原作者コメント(第4話~最終話)
麻見和史です。ドラマ『悪の波動 殺人分析班スピンオフ』をご覧いただきました皆様、どうもありがとうございました。
「原作者コメント」第4話と最終話(第5話)を以下にまとめておきます。
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原作者コメント
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◆第4話
台風・大雨の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。ここから『悪の波動 殺人分析班スピンオフ』第4話の原作者コメントを書かせていただきます。なお、作品に関するネタバレはありません。
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原作者コメント・第4話(1)。浅田吉佳(SUMIREさん)に水のペットボトルを渡してあげる矢島刑事(「ふっか」こと深澤辰哉さん)。気づかいの人ですよね。刑事というと高圧的なイメージがありますが、ふたり一組で行動するので、彼のような人も必要なのだと思います。
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原作者コメント・第4話(2)。野木(古川雄輝さん)と話す吉佳。気持ちが大きく揺れているのがわかります。衝撃的な事件のあとで、いったい何を信じればいいのかというSUMIREさんの戸惑い。一方、野木のほうも驚いています。自分がしたのは悪いことなのだろうか、と。
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原作者コメント・第4話(3)。井口刑事(池田鉄洋さん)と矢島刑事が登場。試写会のとき池田さんが「大変だった」と話していたシーンですよね。最後、井口は鬼のような形相に……。ちなみに、ふっかさんは運転手だったので、追跡できなかったのだと思います。
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原作者コメント・第4話(4)。本部に報告する井口刑事に、水のペットボトルを持ってきてあげる矢島刑事。ふっかさん、本当に気づかいの人になっていますね。しかし、行きすぎた捜査をしようとする井口を止めに入ります。真面目な新人刑事らしさがよく出ています。
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原作者コメント・第4話(5)。野木はネットで情報収集。新聞やテレビに詳しいことは出ませんが、SNSやまとめサイトなどに個人情報が書かれてしまうことがありますよね。彼はそれを利用しています。IT系に精通しているので、アングラサイトなどにも詳しいかも。
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原作者コメント・第4話(6)。井口は吉佳のところに行きますが、このときの池田鉄洋さんの演技がすばらしい! このシーンを見て、池田さんはすごい俳優さんだなと感じました。いろいろなことを聞かされ、SUMIREさんが動揺するところにもリアリティーがあります。
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原作者コメント・第4話(7)。井口と篠宮管理官(鶴見辰吾さん)が衝突。「矢島、おまえ見たよな?」と問われて困ってしまうふっかさん。ほかの先輩に「井口さん、いつもああですか?」と彼は訊きます。初めてコンビを組んだので、井口のことをよく知らないわけです。
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原作者コメント・第4話(8)。証言者・栗原。いい演技ですよね。まったく悪びれていないところがすごいなと。さて、このへんからストーリーは急展開を迎えます。野木と警察、それぞれの動きが加速。手がかりが少しずつ見つかって、我々は真実へ近づくことに……。
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原作者コメント・第4話(9)。ネタバレを避けているため、だんだんコメントが書きにくくなってきました……。第4話のラストシーン、ご覧になった方は驚かれたのではないでしょうか。脚本・演出、ともに冴えていますよね。さあ、次回いよいよ最終話となります。
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原作者コメント・第4話(10)。毎回で恐縮ですが、最後に宣伝させてください。原作となる「警視庁殺人分析班」シリーズには『石の繭』『水晶の鼓動』がありますが、11月に放送される『蝶の力学』とあわせて三冊、ドラマビジュアル帯の付いた文庫本が発売されています。
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原作者コメント・第4話(11)。現在、古川雄輝さんの帯が付く本は4点あります。『石の繭』『水晶の鼓動』『蝶の力学』(講談社文庫)、『天空の鏡』(講談社ノベルス)です。下の写真は文庫本になります。表に木村文乃さん、裏に古川雄輝さんの写真が載っています。
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原作者コメント・第4話(12)。以上、『悪の波動』第4話に関する原作者コメントでした。最終話、はたして野木はどうなってしまうのでしょうか? それでは皆様、次週もどうぞよろしくお願いいたします。
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『悪の波動』関連でリプライをいただきまして、どうもありがとうございます。お返事差し上げていますが、万一私のほうで見落としていましたら申し訳ございません……。
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◆最終話(第5話)
『悪の波動』が気になって仕事が手に付かず、困っております。このところずっとサボり気味でして……。
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ドラマ『悪の波動 殺人分析班スピンオフ』最終話をご視聴いただいた皆様、どうもありがとうございました。ここから原作者コメントを少し書かせていただきます。なお、本作に関するネタバレはありません。
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原作者コメント・最終話(1)。実はWOWOWさんのサイトや予告映像を見ると、犯人のことが大体わかってしまうのですが、ここではネタバレがないようにします。……以前証言が出ていた「カナ」のことが判明し、慌ただしくなる捜査本部。さらに証拠を集めていくことに。
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原作者コメント・最終話(2)。「相変わらず警察は無能だ」……野木(古川雄輝さん)のこの台詞は以前にも出てきました。あの事件を解決できなかった警察に、彼は強い不信感を抱いてきたわけです。しかし今、この場で野木が考えているのはおそらく別のことでしょう。
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原作者コメント・最終話(3)。物語も終盤に差し掛かり、だんだんコメントが書きづらくなってきました。ネタバレ防止のため、ぼかして書きます。……あの人物の鬼気迫る演技、すばらしいですね。表情、台詞、間の取り方など、非常に細かく計算されていると思います。
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原作者コメント・最終話(4)。場所が変わって、いよいよ切迫感がつのってきます。このまま為すすべもなく終わってしまうのか。現実を直視しろというのはあまりに酷というもの。しかし目を逸らすことはできない……。今、頭の中にあるのは絶望だけではないでしょうか。
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原作者コメント・最終話(5)。さあ、このへんからいよいよ何も書けなくなってきました。ネタバレに関係ないものといったら……ええと、そうですね、ステーキがすごく美味しそうです。ワインもいいですね! いや、そんなことを言っている場合ではありません。
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原作者コメント・最終話(6)。捜査本部で今後の方針が決定されました。ここで一服の清涼剤となるのが矢島刑事(「ふっか」こと深澤辰哉さん)。今回は水ではなく、コーヒーを持ってきました。やはりふっかさんは気づかいの人ですね。そして物語はクライマックスへ。
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原作者コメント・最終話(7)。ついに最終局面です。この部分の脚本、かなり練られていますよね。目的地へ向かう→障害→急いで別ルートへ→侵入、となりますが、ここに重要な伏線が仕込まれています。カタストロフへ向かう過程がとても自然に描かれているのです。
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原作者コメント・最終話(8)。そこへ現れた人物……。あの姿を見て、皆さん驚いたのではないでしょうか。ここでこれを使うのかと。そして、それがあそこへ繋がるのかと。このシーンを見て、今回の脚本はすごいと思いました。きれいにアイテムが繋がっていますよね。
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原作者コメント・最終話(9)。最後の遺体は、今までの被害者たちとは違う姿でした。おや? と思われた方もいらっしゃると思いますが、あれは非定型といわれる状態で、あの形でも死亡します。それにしても、発見した捜査員たちはぎょっとしたことでしょう。
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原作者コメント・最終話(10)。ラスト、ちょっと粋な演出がありました。なるほど、という感じで物語は終了。いや、すばらしかったですね。内片輝監督によるサスペンス、山本大輔監督による人間ドラマ(第3話)、清水匡先生による緻密な脚本。本当にいい作品でした。
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原作者コメント・最終話(11)。俳優さんたちの演技も優れていました。最後まで執念をもって行動し続けた井口役・池田鉄洋さん。堕落した駄目な兄・浅田剛志を見事に演じきった平埜生成さん。このおふたりの力は、誰もが認めるところでしょう。すばらしかった!
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原作者コメント・最終話(12)。一方で若手俳優さんたちも光っていました。可憐で、はかない印象を残した浅田吉佳役・SUMIREさん。先輩に振り回されながらも真面目に、熱心に捜査に取り組んだ矢島刑事役・「ふっか」こと深澤辰哉さん。今後の活躍が楽しみな方たちです。
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原作者コメント・最終話(13)。そして主演、野木直哉役の古川雄輝さん。今回は、善と悪の間で揺れ動く心情を見せなければならず、『石の繭』のときより複雑な演技が要求されたと思います。その難しい役を最後まで演じきった古川さんには、拍手を送りたいと思います。
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原作者コメント・最終話(14)。古川雄輝さんはスタイルがいいだけでなく、とても礼儀正しい方なのです。以前のブログ記事をリンクしておきますので、未読の方はぜひご覧ください(長いので、あとでゆっくり……)。
https://kaz-asami.txt-nifty.com/blog/2015/09/20-9975.html
https://kaz-asami.txt-nifty.com/blog/2018/01/post-d158.html
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原作者コメント・最終話(15)。SUMIREさんには不思議な存在感がありますよね。台詞を聞くと、作っている感じがなくて本当に自然。リアルにこういう薄幸な女性がいて、つらい境遇のなか必死に生活している、という雰囲気が伝わってくるのです。貴重な才能だと思います。
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原作者コメント・最終話(16)。そして今回、私がひそかに注目していたのは池田鉄洋さんでした。台詞を覚えているときは厳しい表情だったのですが、お話ししてみると、とても優しい方だったんですよね。すぐファンになりました。『おしりたんてい』も見ていますよ!
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原作者コメント・最終話(17)。私、不勉強で以前はふっかさん(深澤辰哉さん)を存じ上げませんでした。新人刑事役、とてもよかったですし、デビューまで苦労なさったと知ってすごく共感しました。ファンの方々ともネットで交流させていただき、本当に感謝しています。
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原作者コメント・最終話(18)。ネットの感想を拝見して気づいたことですが……。当初、古川雄輝さんやふっかさんが好きで視聴された方々も、見続けるうち「これ面白いね!」と感じてくださったようです。本当に嬉しい感想でした。皆様、どうもありがとうございます。
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原作者コメント・最終話(19)。少し思い出話を。『石の繭』の刊行は2011年のことでした。あのころ私、本当に売れない作家でして、これが駄目ならもう後がないという状況でした。それがドラマ化までされるとは。多くの方に支えていただきました。ありがとうございます。
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原作者コメント・最終話(20)。ドラマ『石の繭』の「彼」がドラマ『水晶の鼓動』にも登場し、さらにスピンオフにまで……。古川雄輝さんだったからこそ実現したことだと思います。そして、それを後押ししてくださったのは視聴者の皆様です。心よりお礼を申し上げます。
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原作者コメント・最終話(21)。大変恐縮ですが、最後に宣伝させてください。原作となる「警視庁殺人分析班」シリーズには『石の繭』『水晶の鼓動』がありますが、11/17から放送される『蝶の力学』とあわせて三冊、ドラマビジュアル帯の付いた文庫本が発売されています。
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原作者コメント・最終話(22)。現在、古川雄輝さんの帯が付く本は4点あります。『石の繭』『水晶の鼓動』『蝶の力学』(講談社文庫)、『天空の鏡』(講談社ノベルス)です。文庫のほうは付いていない場合もありますが、『天空の鏡』にはドラマ帯が必ず付いています。
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原作者コメント・最終話(23)。ビジュアル帯の付いたものを含め、麻見和史のサイン本は千葉県船橋市のときわ書房本店様で販売されています。通信販売もありますので、よろしくお願いいたします。
ときわ書房様 https://tokiwabooks.wixsite.com/tokiwabooks
ときわ書房本店様 https://tokiwabooks.wixsite.com/tokiwabooks/honten
ときわ書房様 通販サイト https://b-p-s.co.jp/tokiwa_webshop/ec/html/
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原作者コメント・最終話(24)。以上、『悪の波動 殺人分析班スピンオフ』のコメントを書かせていただきました。最後までどうもありがとうございました。……そして皆様、11/17からは『蝶の力学 殺人分析班』が始まります。木村文乃さんの活躍をぜひご覧ください!
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ドラマ『悪の波動』をご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。また、五週にわたって原作者コメントを読んでくださった方々には、心よりお礼を申し上げます。気がつけば季節はもう秋……。だんだん気温が下がっていきますので、皆様どうかお体に気をつけてお過ごしください。
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『悪の波動』祭りが終わってしまって寂しいですね……。ではそろそろビールをいただきます。
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