『宝塚歌劇 柚希礼音論 レオンと9人のトップスターたち』
麻見和史です。先日、演劇関係のライターさんからご著書をお送りいただきました。興味のある方がいらっしゃるかも、と思いましたので、以下にご紹介します。
いただいのは松島奈巳さんの『宝塚歌劇 柚希礼音論 レオンと9人のトップスターたち』 (東京堂出版)。
私、ずいぶん前ですが芝居にハマっていた時期があり、多いときは年に100本以上見ていました。小劇場演劇が中心でしたが、後学のためにと商業演劇を見ることもありました。
個人的な印象ですが、日本の商業演劇としてもっとも成功しているのは劇団四季と宝塚歌劇団の作品だろうと思っていました。教養としてどちらも見ておくべきだと考え、値段は高かったのですが何度か大きな劇場に足を運びました。
宝塚歌劇団というと私のような世代はどうしても『ベルサイユのばら』を連想してしまいます。しかし私が初めて東京宝塚劇場で見たのは雪組公演『雪之丞変化』でした。日記を調べてみたら1995年3月のことですね。もう20年以上前ですか!
今思えば、いきなり日本物というのはベストの選択ではなかったかもしれません(少し消化不良感が……)。
その後、やはり宝塚なら西洋のお話を見てみたいと思い、再チャレンジしたのが同年7月の星組公演『国境のない地図』でした。これは私のような初心者が期待したとおりの西洋物で、大変満足して帰ってきました。
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じつは、私の宝塚体験はこの2回しかなく、今般『宝塚歌劇 柚希礼音論』をいただいたとき、はたして自分に理解できるだろうかと、少し不安に思っていました。
しかしそこは経験豊富な演劇ライターさんのこと、初心者にもわかりやすい書き方になっていました。
柚希礼音さんのことをあまり知らない私でも、天海祐希さんならドラマで見たことがあります。1章にこの天海さんのことが書かれていて、柚希さんとの比較が行われ、年齢は離れているものの両者には不思議な共通点があった……というふうに論が進んでいきます。この辺り、非常によく練られた構成だと感じました。
ほかに大浦みずき、北翔海莉、真飛聖、安蘭けい、真矢みき、真琴つばさ、明日海りお、といった方々が紹介されています。天才肌の人もいれば、努力家タイプの人もいるのですね。本当に、いろいろな個性があるものです。
読んでいくうちにわかったのですが、宝塚ファンの方々にはそれぞれ贔屓の役者さん(タカラジェンヌ)がいるようです。いわゆる「推しメン」のようなものでしょうか。
私にも想像がつきますが、自分の好きな役者さんがほかの役者さんに抜かれてしまうと、これは大変悔しい。まして後輩に抜かれたとしたら、「どうしてそうなるの?」という不満が出てくるでしょう。ファンとしては当然のことだと思います。
この本を読むと、宝塚歌劇団にとって、ファンの方々の反応が大変気になるものらしい、ということがわかります。もちろん役者さんたちご本人も、自分の人気や、組の中での立ち位置などを気にしていることと思います。こういう世界は本当にシビアですよね。
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柚希礼音さんはもう退団されて、あらたな活動を開始されたとのこと。
男役だった方が一般のショービジネスの世界に行くと、それまでのイメージが強くて、興行的に苦労することがあるそうです。たしかに、宝塚の男役は中性的なかっこよさが売りだと思うので、外に出たとき、演じられる役は限られてしまうのかもしれません。
しかしこの秋、柚希さんがあるミュージカルに挑戦すると聞いて、「その手があったか!」と膝を打ちました。
演目は『バイオハザード─ヴォイス・オブ・ガイア─』。人気ゲームを原案としたもので、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画も有名です。これは柚希さんのはまり役になるかもしれません。
この企画を立案した人はすごいなあと、素直に感心した次第です。
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