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2015年10月10日 (土)

作家の不思議(11) 新規の仕事はどのように受注するのか(後編)

 麻見和史です。知人の質問に答える「作家の不思議」シリーズ、第11回です。昨日のうちに更新するつもりでしたが、15分ほど遅れてしまって申し訳ありません。

 以下は麻見の個人的な体験談ですので、これに当て嵌まらないケースも多々あると思います。どうかご了承ください。

          *

◆不思議その11「新規の仕事はどのように受注するのか」(後編)

 前回、駆け出し作家が新規の仕事を受注するための一般的な例をご紹介しました。

(1)飛び込み営業をかける
(2)知人などの紹介で、他社ユーザーに商品を提案する
(3)自社ユーザーにリプレース提案をする
(4)ウェブサイトからの問い合わせを待つ

 の4種類が考えられますが、これ以外に、出版業界ならではの新規受注方法があります。

(5)現在取引のある会社経由で、新しい会社から問い合わせがくる

 というケースです。(4)に似ていますが、会社間で情報のやりとりが行われるところに特徴があります。

 具体的に言うと、こういうことです。
 A社で刊行した書籍が一定数売れて注目されたとします。それを見てB社が作家に仕事を注文したいと考えたとき、B社はA社の編集担当者に連絡をとり、「◆◆さんの連絡先を教えてもらえませんか」と依頼するのです。

 A社の担当者は作家に連絡して、「B社から連絡先を訊かれたんだけど、教えてもいいですか?」と尋ねます。作家がOKすると、A社の担当者はその作家のメールアドレスなどをB社の編集者に伝え、のちにB社から作家に仕事の依頼が届くというわけです。

 A社とB社は同業の出版社であり、同じエンターテインメント小説を刊行している立場。つまりライバル同士だと言えます。しかしよほどのことがない限り、作家が希望すればA社はB社に連絡先を教えることになるようです。作家は出版業界の共有財産だという考え方があるのかもしれません。

 一般の業種では、取引先の情報をライバル社に漏らすようなことはしませんから、こういう習慣があると知って驚いたものでした。ですが、そのおかげで取引先が増え、作家はいろいろなお仕事をさせていただけるというわけです。

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