作家の不思議(8) 取材の方法とは
麻見和史です。知人の質問に答える「作家の不思議」シリーズ、第8回です。
以下は麻見の個人的な見解ですので、これに当て嵌まらないケースも多々あると思います。どうかご了承ください。
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◆不思議その8「小説執筆時の取材の方法とは」
「小説の取材」などというと恰好よく聞こえますが、私の場合、「ミステリー小説の参考にしたいので」と言って専門家にインタビューをしたことは、一度もありません。
売れない時期が長かったので、「私、麻見という者で……」と名乗ったとしても、「あんた誰?」と言われるのがオチだと思っていました。だから、対面で何かを質問した経験がなかったのです。
取材の内容について、私は三つに分けて考えています。
(1)ネタ探しのための取材
何か具体的な疑問があるわけではないが、アイデアを得るために取材する。(2)プロット作りのための取材
ネタが決まったので、プロット(ストーリー)を面白く作るために取材する。(3)疑問点解決のための取材
執筆中の疑問点を解決するために取材する。
いずれも施設見学をしたり、講演を聴講したり、関連書籍を読んだりして情報を集めていきます。
この中で一番面白いと感じるのは(3)です。ある物事についてネットなどで調べてみたけれど情報が足りない。でも、これこれの古い資料にはその記述があるらしい、とわかったとします。そういうとき、国会図書館に出かけたり、専門の施設に出かけて資料をチェックするわけです。時間が許すのならこれは本当に楽しい作業です。
二番目に面白いと感じるのは(1)のネタ探しです。何もないところからアイデアをひねり出さなくていけないのでプレッシャーは大きいのですが、まだ時間が自由に使える段階なので、一日や二日、収穫がなくても「これも必要なことなんだよな、うん」と自分を納得させることができます。
カメラを持ってぶらぶらすることも多く、とにかく一枚でも多くの写真を撮ってこようとシャッターを切り続けます。遠出をしたときなど、写真を撮るのに夢中で、見たはずのものが記憶に残っていないということもよくあります。
もっともきついのは(2)のプロット作りの段階です。冒頭とラストだけは決まっているけれど、真ん中をどう埋めていくかという状況が多く、本当に難しいと感じます。
この段階だとたいてい締切が具体的に決まっているので、早く取材を終わらせないとプロットが作れず、そうすると本文の執筆に着手できないことになります。焦りながら取材をするので、ちっとも楽しくないというわけです。
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キャリアのある作家さんだと、編集担当氏に段取りをしてもらって取材するケースもあるようです。しかし私などはまだそういう立場にありませんので、当分はひとりで調べる形になるかと思います。
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