作家の不思議(5) キャラはどこまで設定するのか─ドラマ『石の繭』の原作再現度を探る─
麻見和史です。知人の質問に答える「作家の不思議」シリーズ、その第5回です。
以下は麻見の個人的な見解ですので、これに当て嵌まらないケースも多々あると思います。どうかご了承ください。
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◆不思議その5「キャラはどこまで設定するのか─ドラマ『石の繭』の原作再現度を探る─」
漫画家さんであればキャラクターの顔、表情、決めポーズなどをデザインしてから本編に取りかかるかと思います。しかし小説家の場合、一般的にはそこまで細かく決めずに書きます(もしかしたらイメージイラストを描く方がいるかもしれませんが、おそらく少数派でしょう)。
私の場合、事前に決めておくのは以下の項目です。
・年齢
・外見の特徴(身長、体形、髪の毛、眼鏡使用の有無など)
・性格の特徴(趣味、癖、欠点、口癖など)
・経歴(主要キャラに限る)
『石の繭 警視庁殺人分析班』でいうと、主人公・如月塔子は身長152.8センチ、童顔、バッグを肩から斜めに掛ける、正義感が強いけれど経験不足で危なっかしい……というふうに設定していました。
顔つきなどを描写しなかったのは、特定の女優さんなどが頭に浮かぶと、キャラのイメージが固まってしまうと思ったからです。それで、あえて顔については詳しく書きませんでした。
(ごく稀に、女性の顔が細かく描写されていないのを見て「色気がない」と言う方がいらっしゃいますが、そもそもこのシリーズの主眼となるのはサスペンスと謎解きであり、女性の色気ではありません)
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さて、小説として刊行したあと、運よくドラマ化の話が舞い込んだとします。このとき問題になるのが、どんな役者さんに演じていただくか、ということです。
俳優さんの選定に関しては、基本的にテレビ会社、制作会社にお願いしているため原作者は結果を待つのみです。
今回『石の繭』がWOWOWさんでドラマ化されますが、俳優さんはどうなるだろうかと期待半分、不安半分でいたところ、男性陣はかなり原作イメージに近い形でキャスティングしていただくことができました。
どれぐらいイメージに近かったかというと、わかりやすい資料があります。スマホの方は見づらいかもしれませんが、以下にリンクを張っておきます。
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◆大前壽生先生によるイメージイラスト
『蟻の階段 警視庁殺人分析班』の投げ込みチラシに掲載されていた、十一係メンバーのイラストです。
http://jumaean.com/works_2013.html
2013年の仕事実績のページです。左上から三番目(円の中に顔が並んでいる画像)をクリックしてください。上段左から如月塔子、鷹野、徳重、下段左から門脇、早瀬係長、尾留川です。
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このイラストと、今回決定したキャストの写真を見比べてみます。
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◆実際の俳優陣
マイナビニュースエンタメ
http://news.mynavi.jp/news/2015/06/30/050/
鷹野秀昭役の青木崇高さんは身長185センチだそうで、塔子との凸凹コンビ感はばっちり再現できそうです。風貌についても、大前先生のイラストと雰囲気が似ている気がします。
それからもうひとり。どの役なのか記事には書かれていませんが、大前先生が描いた徳重とそっくりの俳優さんがいらっしゃいます。私、この写真を見て、「リアルトクさんだ!」と驚いてしまいました。
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それ以外の方々についても、考え抜かれた結果だということがよくわかります。原作者もびっくりするような人選で、本当に嬉しく思っております。どうもありがとうございました!
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