作家の不思議(6) ペンネームはどうやって決めるのか
麻見和史です。毎日暑いですね。知人の質問に答える「作家の不思議」シリーズ、第6回です。軽い読み物としてお楽しみください。
なお、以下は麻見の個人的な見解ですので、これに当て嵌まらないケースも多々あると思います。どうかご了承ください。
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◆不思議その6「ペンネームはどうやって決めるのか」
作家としてデビューする前、一般的には新人賞に応募するときですが、自分のペンネームを考えなくてはなりません。
本名で執筆なさる先生もいらっしゃいますが、多くの作家は本名とは別の名前を考えます。これには、私生活と創作活動を切り離すという意味があります。自由な創作を行うためにも本名は明かさないようにしたい、ということです。
このペンネームですが、どんなものでもOKなので、決めるときはかなり迷います。自分の本名から何文字か使う人もいますし、本名を分解してアナグラムで新しい名前を作る人もいます。ただ、アナグラムの場合、使える字(アルファベット)が限られるため、無理やり作った感じが出てしまうことがありますので、注意が必要です。
老婆心ながら、これからペンネームを付ける方にアドバイスさせていただくとすれば……。
非常に難しい漢字を使っているとか読み方が特殊だとかいうのは、できれば避けたほうがよいと思います。同じ漢字、同じ読みの有名人がいる場合も、使わないほうが無難です。
なぜかというと、これらの場合、ネット検索で自分の名前がうまくヒットしないことがあるからです。また、読者の方が書店で本を探すときも、少し戸惑われるのではないかという気がします。これらは販売機会のロスにつながります。
さて、私の場合どうしたかというと、姓名判断の本を読んでペンネームを決めました。馬鹿馬鹿しいと思われるかもしれませんが、せっかく自由につけられるのだから、できるだけ良い運を呼び込む名前にしようと思ったのです。
実際、あれだけ運の悪かった私がこうして小説のお仕事をいただけるようになったのですから、やはりこの名前にしてよかったと思っています。
決めるに当たっては、本を3冊読んで、良い運を呼ぶとされる画数を組み合わせました(これがけっこう難しい)。また、音の響きも満足できるものにしてあります。
それから、もうひとつ注意したのは、「あ」から始まる名前にしようということでした。探偵社や引っ越し会社と同じ発想です。こうしておくと、書店さんで作者名の五十音順に本を並べてもらうとき、最初のほうに位置を取ることができます。うしろのほうの方より、少しだけ得をするのではないかと思っています。
じつは鮎川哲也賞の作家さんは「あ」行で始まる名前の方が多いんですよね。本格ミステリーの賞だけに、みなさんペンネームにも相当こだわっていらっしゃるのではないでしょうか。
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次回は「作家とサイン」などについてお話しできれば、と思っています。
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