作家の不思議(4) ドラマ化はどのように決まるのか
麻見和史です。知人の質問に答える「作家の不思議」シリーズ、その第4回です。
以下は麻見の個人的な見解ですので、これに当て嵌まらないケースも多々あると思います。どうかご了承ください。
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◆不思議その4「ドラマ化はどのように決まるのか」
今回、WOWOWさんで『石の繭』をドラマ化していただけることになりました。漫画家であればアニメ化、小説家であればドラマ化がひとつの目標ですので、決定の連絡をいただいたときには本当に嬉しく思いました。関係者のみなさまにお礼を申し上げます。
これまで『石の繭』を読んだ方から、ドラマ向きだと言われることが多かったのですが、じつを言うと、最初から映像化されやすいように書いておりました。
具体的に説明すると、如月塔子のシリーズでは、
(1)事件を魅力的に描き、最後の謎解きを面白くすること
(2)サスペンスシーンを多く盛り込むこと
(3)適度なユーモアを加えること
(4)極端にグロテスクなシーンや性的暴行は描かないこと
の4点を守りながら執筆してきました。中でも(4)は映像化の妨げになる可能性が高いと思ったので、特に注意していました。だから如月塔子のシリーズには、首や手足を切断された遺体が出てこないのです。
さて、そのドラマ化ですが、いったいどんなふうに決まったのかと興味をお持ちの方も多いと思います。守秘義務等ありまして具体的なことは書けないのですが、以下、一般的なケースでお話ししたいと思います。
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最初の段階としては、まずテレビ局のプロデューサーさんなどが作品を読み、ドラマ化の企画を立てるところから始まるようです。各局にドラマの放送枠があるので半年後、一年後を考え、映像化できそうな小説をいつも探している、ということでしょう。
ある程度企画が固まったところで、テレビ局から出版社に連絡が行きます。これを受けて出版社は作者に「オファーが来ましたよ」と連絡。この段階で作者は、ドラマ化を許諾するかどうか判断します。
作家さんによっては作品のイメージを大事にしたいという理由で、映像化を許諾しないケースもあるということです。
原作者の許諾が得られたら、テレビ局ではもう少し詳しい資料を作成。社内会議を通して正式決定となるようです。この段階で、すでに制作会社なども決まっているものと思われます。
あとは放送日をいつごろにするか、出演者を誰にするかなどを決めていきます。撮影スケジュールなどは制作会社が決めるようです。
もっとも難しいのは俳優さんのスケジュールをおさえることでしょう。みなさん忙しい身なので、一定期間現場に入ってもらうには、あちこちで調整が必要です。制作進行を担当する方は本当に大変だと思います。
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作家はひとり黙々と執筆を行いますが、ドラマの撮影には大勢の人が関わってきます。もとは数行のメモ書きでしかなかった『石の繭』という話が、本になり、さらにドラマ化プロジェクトが進行中だと思うと、感慨深いものがあります。
撮影が無事に終了するよう祈っております。
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