作家と編集者の微妙な関係
麻見和史です。講談社さん関係のTwitterを見ていたら、就職活動中の学生さんに対する呼びかけが載っていました。
エントリーシートのことだったようですが、私なんかが就職活動をしていたころにはそういう仕組みがなかったので、どういうものなんだろうと、ちょっと気になっています。
今はネットでいろいろなことができますよね。情報収集という意味では便利になった反面、面接などでどう自己主張をするかが、難しくなっているのかもしれません。また、企業に関するさまざまな噂がすぐ拡散してしまうので、よけいなところで不安を感じてしまうことが多いんじゃないでしょうか。
今でこそ笑い話ですが、じつは私も記念の意味で(すみません)、大手出版社をいくつか受けました。講談社さんも受けましたが、当然のことながら、まったく歯が立ちませんでした。
あれから二十数年たって、一応作家ですと言えるようになり、各社の編集者さんとお会いする機会が増えてきました。
話していていつも感じるのは「この人たちは激戦を勝ち抜いて、編集者になったんだなあ」ということです。きっとみなさん、学生時代にも、きらきら輝いていたんじゃないでしょうか。
私なんかはネクラ(←古い!)な学生だったし勉強熱心ではなかったので、もし同じクラスにいたとしても、親しくしてもらえなかったんじゃないか、などと思ってしまいます。
今、こうして出版社の編集者さんたちとお仕事させていただいているというのは、ちょっと不思議な感じがします。若くて優秀な人たちから見ると、私の出すアイデアなんて失笑ものなんじゃないか、と思えたりして……。まあ、それは冗談ですが。
先日も講談社さんと打ち合わせをしてきました。
講談社さんの社員になるには相当の学力が必要だと思いますが、作家になるには学力はあまり関係ありません。そして作家になれば、講談社さんのきれいな社屋に入って、カフェテリアでコーヒーをいただくこともできます。ありがたいことです。
もし二十数年前の自分に声をかけられるとしたら……。そうですね、こんなふうに励ましたいと思います。
「まあ、あれだ。不採用だからって、くよくよしなさんな。入り口はここだけじゃないんだからさ」
いえ、裏口から入るという意味じゃありませんけど。
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