『深紅の断片』関連(11) 救急隊出場
麻見和史です。新作長編『深紅の断片 警防課救命チーム』の読みどころをご紹介いたします。
今日はその2回目。救急隊の出場に関する話です。今「出場」と書きましたが、これはタイプミスではありません。消防では隊を現場に出すことを「出動」ではなく「出場」と呼んでいます。
私たちが119番通報をすると、最初に「火事ですか、救急ですか」と訊かれます。受付窓口が同じなので、まず火災なのか傷病者の搬送なのかを切り分けているわけです。火災なら消防隊の出場を、傷病者がいるのなら救急隊の出場を手配してもらうことになります。
最近の消防白書によると、全国で発生している救急事案は、一年で591万件もあるそうです。大変な数字です。
しかし基本的に、救急隊は要請を断ることがありません。そのせいで「タクシー代わりに使われている」といった批判も出ているのですが、実際に行ってみないと傷病者の状態がわからないことは多々あります。傷病者本人でさえ病状を正しく把握していない場合があるので、電話だけで「大丈夫」と判断することはできないわけです。
本作『深紅の断片 警防課救命チーム』は架空の町・舞川市を舞台にしています。ある夜、「少女が閉じ込められている。早く助けないと死ぬ」という通報が……。明らかに不審な電話ですが、いたずらだと断定することができない以上、要請先に向かうしかありません。
そして現場に到着した救急隊は、異様な光景を目にすることになります。若き救急隊長・真田はこの不可解な事態にどう立ち向かうのか? リーダーとしての資質が問われる場面です。
命を守るために努力する救急隊。その姿を、ぜひご覧いただきたいと思います。『深紅の断片 警防課救命チーム』(講談社)はただいま発売中です。どうぞよろしくお願いいたします。
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