印刷博物館(常設展示)
麻見和史です。何か忘れてるなと思ったら、P&Pギャラリーに行った日 、地下の印刷博物館も見学したことを、まだ書いていませんでした。
以下、メモを元に見学記を残しておきます(急いで見て回ったもので、もし事実誤認があったらすみません)。
*
印刷博物館の常設展示を見る。入館料は300円。地下の展示を見るのはずいぶん久しぶりである。
5~6人集まった観覧客にガイドの女性が説明する組が、三つぐらいあった。お客さんは首から札を提げていたので、事前に申し込んでいたのかもしれない。最初は、その説明の声を立ち聞きしていたのだが、長くなりそうだったので先に進んだ。
古い展示品は飛ばしてどんどん進む。後半、日本の雑誌のコーナーは面白かった。
ひとつ5分ぐらいの説明ビデオを見ていく。講談社の『キング』という雑誌は大正14年に創刊され、増刷も含めて62万部を売ったそうだ。翌年には日本で初めて100万部の雑誌になったとのこと。
『キング』のキャッチコピーが「面白くて、為になる」だったのでびっくりした。これ、今でも講談社さんで使われているコピーである。歴史を感じます。
円本についての説明ビデオがあった。言葉は知っていたが、今日初めて意味を知った。
当時文芸作品は1冊で2円ぐらいだったが、改造社が4作入って1冊1円という文学全集を予約制で出すことにした。毎月1巻ずつ刊行されたそうだ。のちに他社も競って参入し、これが円本と呼ばれた。
ただ、予約販売だったので欲しい巻だけを買うことはできなかったし、出ない月があっても先に払った1円は戻ってこなかったようだ(説明ビデオでそう言っていた)。
この円本ブームを支えたのが新聞広告で、講談社や改造社が広告主番付の上位に入っていたという。当時から本は宣伝して売るものだったわけですね。最近は不景気のせいで広告もめっきり減ってしまったけど。
さて、欲しい本だけを安く買いたいという要望に応えようと、あらたに登場したのが文庫本だった。
まず岩波文庫がヒットを飛ばし、続いて新潮文庫が出来た。大きな判の新刊単行本とは別に、日本では文庫という文化がこの当時からあったわけである。
現在、私のような駆け出し作家は文庫でなければなかなか売れないという状況なのだが、歴史を振り返ってみるとこれは異常事態というわけではなく、大衆文学流行の初期に戻ったと考えられなくもない(ちと強引か)。まあ、西洋と違って日本の家はスペースに限りがあるから、大きな本を集めるには不向きだというのは間違いないだろう。
久しぶりにこういう場所に来たので、大変刺激になった。P&Pギャラリーもよかったし、地下の常設展示もよかった。やはり、たまに文化成分を補給しないと駄目だなあと反省しました。
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