第15回国際電子出版EXPO(6) 出版実績と信頼感
麻見和史です。電子出版関係の続きです。
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出版社への信頼感はどこから出て来るかといえば、その会社の出版実績である。過去、こういう人を発掘して、こういう本を出しましたよ、という歴史だ。
優れた出版物を生み出すことは作家ひとりの功績ではなく、その陰には出版社、特に編集者の支援がある。企画段階から案を出し、執筆時には各種アドバイスを行い、ゲラになってからは校閲内容のチェックまで、プロの編集人として最後まで面倒を見てくれる。なかなか表に出てこない部分だが、編集者によるサポートは、作品出版の過程で必要不可欠なものである。
ボイジャー社・萩野社長の論からは、じつはこの部分が抜け落ちている。誰でも好きに電子出版できる世の中は魅力的ではあるだろう。だが内容の吟味も、校閲作業もされないままの電子本がばんばん世に出てしまうのは、出版業界全体にとって、ひいては読者にとって、好ましいことではないと思う。
萩野社長は「小さなメディア」であったころの電子出版から出発された方で、PCの発達と連動して「パーソナル」であることを重視しているようだ。氏は既存の出版社を介さない電子出版を理想となさっていると思われる。
一方、私などは出版社の側につくから、どうしても萩野社長とは意見が対立することになる。これはもう宿命としか言えないだろう。
電子書籍元年を過ぎ、EPUB3の策定を経て、日本の電子出版はどうなっていくのか。電子本が増えていけば、製紙、DTP、印刷などの各業界や書店、図書館などにも影響が出るだろう。
今後の動きが、非常に気になるところである。
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