第15回国際電子出版EXPO(5) Web小説と電子出版
麻見和史です。暑いですね。7月後半はまた、ばたばたしておりました。
間が空きましたが、電子出版の話の続きです。
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個人のウェブサイトから始まってブログ、ツイッターなど一般の人が文章を書く機会が増えている。ケータイ小説発のベストセラー本も生まれているし、二次創作小説などを扱うサイトも人気がある。一般の人が、小説作品を全世界に向けて発表する環境が整ったといえるだろう。
実際、Web上で小説を連載し、固定ファンをつかんでいる方もいるようだ。だが、それでもなお、多くの書き手が出版社主催の小説新人賞を狙うのはなぜだろう。
答えは簡単で、Web上の作品発表では収入を得ることが難しいからである。多くの場合、個人サイトでの小説発表は趣味で行うものであり、テキストは無償提供される。自作を読んでもらえることが嬉しい、掲示板やメールで感想がもらえることが嬉しいわけで、これは創作の動機としてはきわめて自然なものだ。
とはいうものの、せっかく書くのなら対価が欲しいというのが人情である。だから、今はWebで作品を発表している人たちも、ゆくゆくは作家となり、売れる小説を書きたいと考えているに違いない。
さて、こうした中、2010年の電子書籍元年がやってきた。現在、電子本を読むためのハードウエアと、電子本を販売するためのサイトが続々誕生しており、一般の書き手にとってはチャンスが訪れたように見える。
書きためた作品があるのなら、費用を払って電子書籍化し、専門サイトに販売を委託するというのはどうだろう。一回のダウンロードでいくらと決めておけば、誰でも簡単に、多くの収入が得られるのではないか。
だがこれも、実際にはなかなか難しいことだと思われる。なぜか。
口コミで爆発的に人気が出る可能性もなくはないが、やはり読者は名の知れた出版社の作品を好むと考えられるからである。
在庫数の多さや課金システムへの安心感もあるが、もっとも重要なのは、出版社の持つ社会的信用であろう。その会社の出版物への「信頼感」と言ってもいい。
ではこの信頼感は、どこから生じるものなのか。
(つづく)
捨てがたい「モノ」としての本。電子書籍の普及で、「本の重さで床が抜けた!」などという笑い話は消滅する?
(本文とは関係ありません)
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