映画『劇場版NARUTO─ナルト─疾風伝 ザ・ロストタワー』
麻見和史です。7月24日(土)、映画の試写会に行ってきました。この日は同じヤクルトホールで昼夜のダブルヘッダー。
14時15分ごろ会場へ。『劇場版NARUTO─ナルト─疾風伝 ザ・ロストタワー』の試写を見る。テレビ東京主催。子供さん向けアニメといえども、招待券をいただけばありがたく拝見します。
チラシから読み取れる範囲でストーリーを紹介すると、主人公・うずまきナルトが過去にタイムスリップしてしまい、自分の父親であるミナトとともに悪を打ち砕くという劇場版オリジナル作品。
非常に魅力的な題材である。時間SFは比較的容易に読者・観客を泣かせることができるジャンルだ。この作品で言うと、ナルトは亡き父と対面し、会話することで観客に大きな感動を与えることができる。そのはずだった。
しかし、この真相の扱いはなかなか難しいものだったようだ。
物語の効果から言えば、このことは終盤まで伏せておいたほうが絶対いい。ずっと隠しておいて最後に「じつはこの人がナルトの父ちゃんでした!」とわかれば、もう涙涙でスクリーンが見えないぐらいの感動シーンになるはずである。
だが、その真相を最後まで伏せていると、宣伝ができない。この映画で何が売りかといえば、それはナルトが父ちゃんとともに悪と闘うことである。だからチラシでも「最強の親子タッグ」と強調したのだ。そうするしかなかっただろう。
で、その結果どうなったかというと、残念なことに、あまり泣けなくなってしまったのだ。ミナトが登場するやいなや観客は「あ、ナルトの父ちゃん!」と認識してしまうのだから仕方ない。
宣伝上やむを得なかったとは思うが、いいネタだっただけに、ちょっともったいないように感じました。
うまくいくかどうかはわからないが、無責任な提案をすると、敵をもうひとり出したほうがよかったような気がする。父ちゃんはそっちと闘わせて、彼がピンチに陥るのをナルトが助けると面白いのでは。
また、後半で、
「ばかっ! 命を粗末にするな」と叱る父ちゃん、とか。
しかしその父ちゃん負傷。ナルト驚いて、
「俺をかばってそんな傷を。あんちゃん、命を粗末にするなって言ってたじゃないか!」
「不思議だね。なんだか僕は、命にかえても君を守らなきゃいけないような気がするんだよ……」
とか、もう感動的なシーンはいろいろと作れると思うのである。そういうのがあると俄然評価が上がるんですが。
──などと、門外漢がごちゃごちゃ言ってすみません。あんまりドラマ面を強くしすぎると、小さいお子さんには退屈かもしれませんよね。
美術面の話をすると、絵はとても美しかった。特に、尖塔が建ち並ぶ砂漠の町のイメージは圧巻。その高い塔でナルトが敵と戦う序盤は、スピード感もあり、アニメならではの迫力が楽しめた。
やっぱり日本のアニメはすごいですなあ。
*
さて、『ザ・ロストタワー』はナルトがタイムスリップするという題材を採用したせいで、映画スタッフに大きな悩みをもたらしたようだ。
ナルトには仲間の忍者が十人以上いて、劇場版には彼らを全員登場させなくてはならないらしいのである。しかし全員をタイムスリップさせるのはさすがに無理だ。ではどうしたらよいか。
スタッフの判断は驚くべきものだった。これは私も思いつかなかった。
彼らはどうしたか。
短編映画を同時上映したのである。
『劇場版NARUTO─ナルト─そよ風伝 ナルトと魔神と3つのお願いだってばよ!!』がそれ。少年期のナルトたちが魔神の壺の争奪戦を繰り広げるというコメディタッチの作品だ。
争奪戦とすることで、十数人いる仲間たちにそれぞれ登場シーンを与えることができた。ギャグを織り交ぜ、魅力的な作品に仕上げている。これはいい仕事でした。
奇策であり、二度と使うことはできない手だろうが、非常に効果的だったと思います。
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