NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
麻見和史です。初台の東京オペラシティ訪問の続きです。
NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)を見学してきたのだが、いくつか気になる点があったので記します。あくまで個人的な感想ではありますが……。
第一に受付の件。入ってすぐ、とても広いフロアがあって、右手にはカフェ、左手には階段が見える。あの階段を上がると会場なのだなと思い、そちらに向かおうとしたところ、正面はるか向こうにいた女性から声をかけられた。驚いたことに、10メートルも先に受付があったのである。しかもこれが、会場に行くための動線から完全に外れた場所にある。まずこれがよろしくない。
なんだ、チケット買わずに行こうとしちゃったよ、恰好悪いなあ、と思いながらカウンターに向かった。『コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来』展のチケットを500円で購入。このとき「オープン・スペースもごらんになりますか?」と訊かれ、なんのことかよくわからないまま「はい」と言うと、展示室の案内図をくれた。オープン・スペースはオプションという印象を受けた。
階段を登ると展示スペースらしいのだが、どういうわけか右手に180度回り込んだ場所に係員さんが座っている。カウンターがあるわけではないのでそのまま通過できそうな気配なのだが、チケットを提示するとやはりここがチェックポイントなのであった。だが辺りを見回しても『コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来』展の会場はここですといった看板が見当たらず、大変わかりにくい。これが第二点。
企画展の展示室を出て広いほうに行ったら、これが「オープン・スペース2009」なのであった(うちに帰ってから調べてわかった)。
展示内容としては、個人的には『コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来』展より面白いように感じられる。そうなると、まあこれは結果論でしかないのだがオープン・スペースだけ見ても充分楽しめたわけで、しかもあとで知ったのだが、こちらは無料で、そこだけ鑑賞することもできたのだ。ならば最初に受付で「企画展を見ますか、無料のオープン・スペースを見ますか」と訊いてくれてもよさそうなものだと思った。初期値が企画展鑑賞=ONになっているようで、どうもそこが引っかかる。これが第三点。
予備知識のない人間に対して、ちょっと不親切かなあという気がしたということである。え、あらかじめ調べてこいって? そうですね、じつはそのとおりです。
ここから先は、不満や問題点というのではなく、当方の勝手な勘違いについてのメモである。
このオープン・スペース、NTTの運営なのだからすばらしいハイテクアイテムが展示されているのだろうと思っていた。ところが行ってみると、四つのラジオからブツ切れになった音声が聞こえる装置だとか、自分の影の位置によりラジオの周波数が変わる装置だとかが並んでいて、こちらはとまどいを隠せない。
「このように影の大きさを変えることで、ラジオのボリュームが変わるんですよ」
と親切に教えてくれた係員さんに、
「それにどんな意味があるのですか?」
と尋ねようとして、慌てて言葉を呑み込んだ。
私はとんでもない勘違いをしていたのだ。ここは技術アイテムを展示する場所ではなく、アート作品を展示する場所なのである。
美術館での催しなら「うむ、アートであるな」と納得しただろうが、NTTのショールームだと思い込んでいたので、技術品の展示を期待してしまったのだ。
どうやら、会場の性質によって、見る側に変なバイアスがかかるということらしい。アート作品を見て、いらいらした経験というのは初めてのことで、自分でもちょっと驚いている。
芸術作品に技術的な価値を求めるのは明らかに間違っている。当方、不満そうな顔で鑑賞してしまって申し訳ありませんでした。
一方、美術作品とは別に「ミッションG:地球を知覚せよ!」というテーマ展示があり、そこには技術的に優れたものがあった。鳴川肇さんの発明した「オーサグラフ」という地図表記法だ。
世界地図といえばメルカトル図法を思い浮かべることが多いが、オーサグラフは三角形の地図を複数つないでいくもの。地形のゆがみを減らし、地球上の二点の位置関係を、従来の地図より正確に表現できるという。メルカトル図法で航空機の大圏コースを記すと円弧となり、まるで遠回りしているように見えるのだが、たぶんそれを直線コースで描ける技術なのだと思う。詳細について、ちょっと調べてみたい気がする。
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