無響室
麻見和史です。少し前の写真ですが、珍しいものなので掲載します。
東大柏キャンパスを訪問したとき見せていただいた「無響室」である。
無響室はその名のとおり、音が響かないよう細工した部屋のこと。壁のデザインが面白く、また内部は暗めだったため、独特の雰囲気があった。古代遺跡、あるいはSF映画に出てくるコンピュータのようにも見える。
もちろんこの壁は装飾目的のものではなく、音を吸収するためにこのような構造になっている。機械の発する微細な音などの計測に使われる部屋だそうだ。
床にもこの構造が用いられているため、見学者はそのまま歩き回ることはできない。ではどうするかというと、金属で組まれた足場の上に登るのである。グレーチングみたいなものだと言えばわかりやすいか。靴下で登ったので足の裏が痛かった。
この部屋で会話をしてみると、不思議な気分になる。目の前の人の声が、やけに小さく、頼りなく感じられるのだ。声が口から出て四散し、壁に吸い込まれていく様子が目に見えるような気も……。ちょっと大袈裟なようだが、それぐらい異様な空間なのだ。
普段、反響や残響から我々がどれほど影響を受けているかよくわかった。柏キャンパスは駅から遠くて大変なのだが、これは価値ある見学だったと思う。
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