『任意の点P』
麻見和史です。立体視図版の最高峰。
『任意の点P』 慶応義塾大学佐藤雅彦研究室/中村至男 美術出版社
慶應大学佐藤研は『ピタゴラスイッチ』で有名なクリエイター集団(と呼んでいいと思う)。
以前、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)でその佐藤研の展覧会があり、いくつかの立体視図版を見て、腰が抜けるほどびっくりした。作品集『任意の点P』が展示販売されていたので即、購入した。
右目と左目から微妙にずれたデータが入るので立体的に見える──というのは頭では理解できるのだが、現物を見ると本当に奥行きがあるとしか思えないのである。従来の3D図版と違って、佐藤研らしくシンプルな線で描かれているから、より効果が大きいのだろう。
特に印象に残るのが川村真司さんと石川将也さんの「衛星 東経97度20分 南緯26度12分」。陸地部分だけを線描し、地球の裏側まで透視できるようにしたものだ。球を扱っているため技術レベルが高く、題材的にもロマンが感じられる。すばらしい作品である。
本にはレンズが添付されていて、これを覗き込むことで48種類の立体視が楽しめる。税別2,500円とちょっとお値段が高めだが、買って損はないと思った。幼児児童へのプレゼントにしても喜ばれそうである。
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