活動状況

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    ■小説関係(2017/10/7)
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    ●2017年10月6日『沈黙する女たち』が発売されました。
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    ●2017年9月1日『水葬の迷宮 警視庁特捜7』が発売されました。これは『特捜7 銃弾』の文庫版となります。
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    ●2017年7月6日、十一係9『奈落の偶像』が発売されました。また7月14日、十一係7の文庫版『蝶の力学』が発売されました。
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    ●2017年3月25日、『永久囚人 警視庁文書捜査官』が発売されました。

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    ●2017年1月25日、『警視庁文書捜査官』(文庫版)が発売されました。
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    ●2016年11月13日~WOWOWにてドラマ『水晶の鼓動』(全5話)が放送されました。

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    ■イベント関係(2015/6/21)
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    ●最近イベント参加が減っております。どのへんが「イベント・シンポジウム日記」なのかわからなくなってきました。

    ●麻見のTwitterアカウントは
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2008年12月の記事

2008年12月28日 (日)

社会科学系イベント

 麻見和史です。来年のイベント・シンポジウム参加について調整中です。

 従来、大学主催のシンポジウムを中心にしていたため人文系、自然科学系に出席することが多かったのだが、来年は勉強の範囲を広げていきたい。ずばり、2009年は社会科学系に力を入れます。
 社会科学系はまさに現在、問題となっているものを扱うわけだから、講演者にとっても参加者にとっても議論は切実なものとなるはず。生の声が聞けるのがシンポジウムのいいところだ。
 今の時代、みんな忙しいから自分に関わりがなければ「不要なもの」と見なしてしまうことが多いが、こういうときだからこそ知らない分野への目配りは大事だという気がする。時間をやりくりして、できるだけ多くの集まりに参加したい。
 と思って次々スケジュールを書き込んでいたら、1月はもういっぱいになってしまった。こんなに入れて大丈夫だろうか……。

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2008年12月24日 (水)

メールけいしちょう

 麻見和史です。年内のイベント・シンポジウム参加は一段落というところです。

 後学のため「メールけいしちょう」の配信申し込みをしてみた。多いときは1日15件ぐらいのメールが届くようになった。都内で発生した事件の情報が、数時間おきに送られてくるのである。

 どういった内容かというと、たとえば「子ども(声かけ等)」というのがある。これは戸外で、児童生徒が知らない人から声をかけられた事案だろう。向こうがどう感じるか次第なので、ただ道を訊こうとしただけでも「声かけ等」になってしまうものと思われる。どんなに困っても、そのへんを歩いている子供さんに道を訊くのはやめたほうがよさそうだ。

「公然わいせつ」というのもある。戸外でわいせつな部位を露出し、他人に見せた事案と思われる。これを児童生徒に対して行なうと、メールのタイトルは「子ども(公然わいせつ)」になる。
 どこかのサイトで読んだのだが、バスの座席に座っていた男性がズボンのベルトを緩め、もぞもぞと何かやり始めた。乗り合わせた客がびっくりして「わいせつ行為!」と警察に通報した。しかしこれは誤解で、男性は、ずれてしまった義足をつけ直していたのだそうだ。
 男性にとっては大変な問題で、ズボンを脱がないと義足の位置が直せず、目的地に着いてもバスを降りられない状況だったと思われる。早くしなければと気持ちが焦ったことだろう。周囲に事情を説明するわけにもいかず、その結果、乗客の目には妙な行為と映ってしまったらしい。双方に悪意はなかっただろうから、これはもう不幸な出来事だったとしか言いようがない。

 さて、12月中旬以降、目立つようになったのが「ひったくり」である。上旬には1日2件ぐらいだったのが、最近では1日6、7件に増えている。年の瀬だからなのか、それとも景気悪化の影響なのか。
 ひったくり方法については3種類あって、徒歩、自転車利用、オートバイ利用のもの、となっている。相手がオートバイではどう頑張っても追いつけないだろう。
 何か近づいてくる気配があったら、とりあえずきょろきょろするべきか。あとは、見栄えが悪くても、たすきがけのスタイルで鞄を肩にかけるのがよさそうだ。こうすれば狙われにくいはずである。

「メールけいしちょう」は警視庁のウェブサイトから配信の申し込みができます。

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2008年12月18日 (木)

サービスを工学する。

 麻見和史です。本日は日本科学未来館7階のみらいCANホールで、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)主催の『第2回サービス・イノベーションシンポジウム「サービスを工学する。」─科学や工学の対象でなかった「サービス」のイノベーションに向けて─』を聴講してきました。

 東京テレポート駅から徒歩15分、厳寒期はこの道のりがけっこうしんどいのだが、今日は暖かくて助かった。
 みらいCANホールといえば思い出すのは9月11日に行なわれた『航空ビジョン・シンポジウム2008』である。あのときは出席者、あるいは主催者に対して何か私怨のあるらしい方が質問コーナーで怒りをぶちまけたのだが、学会などに行けばもっと激烈な場面に遭遇することがあるかもしれない。あの程度で驚いていてはいけないのであろう。

 急いで会場に入ったのだが、今日のシンポジウムは比較的空席が多かった。例によって一番前の席に座って聞く。このほうがパワーポイントの画面が見やすいのである。

 そもそも今日の企画はなんなのかというと、産総研のホームページには次のように書かれていた。

 サービス産業はわが国の重要な産業セクターですが、これまで科学や工学で重要な対象として位置づけられてきませんでした。しかしサービス生産性の伸び率は低く、わが国の持続的経済成長を鑑みれば、サービス工学的手法の導入によるサービス・イノベーションを実現していかなければなりません。
 産総研では、サービス工学研究の推進母体として、そして産学官の諸機関が円滑に研究連携できるハブとしての役割をもつ「サービス工学研究センター」を平成20年4月に設立いたしました。
 本シンポジウムでは、産業界や研究開発における具体的事例に基づき、サービス工学によるサービス・イノベーションの方法論について議論します。

 読んでみても今ひとつぴんとこないのは、こちらの知識が足りないせいである。
 そもそもサービス工学とはなんなのか。
 調べてみたところ、サービス工学研究会という組織があることがわかった。
そのサイトによると、サービス工学は「工学的な立場からサービスを理解し、その設計・製造のための方法論を提供することを目的としてい」るそうである。
 方法としては「サービスをその視野・視点に関する主観的特性を含みながら、客観的に表現すること」、つまりは目に見えない形のサービスを、誰が見てもひとめでわかるよう数値化してシステムに組み込むこととしているようだ。
 ここでサービス産業とは何かというと、たとえば飲食、宿泊、医療・福祉、娯楽産業などがそうであるらしい。

 講演は二本あった。
 ひとつ目は元セブン-イレブン・ジャパンの情報システム担当、現フューチャーアーキテクト株式会社の碓井誠さんのお話で、これは具体例がたくさんあってよく理解できた。ご存じのとおりセブン-イレブンといえば日本のコンビニエンスストア業界をリードしてきた大企業である。NECや野村総研に依頼して各種システムを作り上げたのだが、アプリケーションだけは別として、その他の部分は1年後にはオープンにしてよい、としたらしい。その結果、他のユーザーがセブンのシステムをモディファイして使うことになったそうだ。これは、ソフトウエア開発に携わった経験のある者にとっては、じつに驚くべきことである。
 POS周辺だけでなく後方処理のシステムまで開発するとなれば相当な費用がかかるから、システム屋さんとしては、一ユーザーだけで利益を出すのはなかなか難しい。そこで、カスタム製造したシステムを標準化し、他のユーザーに売り込みたいという考えが出てくる。しかしここで問題となるのは、最初のカスタム開発費を払ったユーザーが、それを快く思わないということだ。開発費を出したのはうちなのだから出来たものだけコピーしてよそへ持って行かれては困る、もしそうしたいのならちょっとうちにもバックしてもらわないと……という話が出てきてもおかしくはない。
 そういうときシステム会社はどうするかというと、見た目だけ変えて「別物です」と説明するのである。機能を詳細にチェックしていけばベースが同じであることはバレバレなのだが、しかしあくまで「別物です」と主張する。いかに心苦しくてもそう言わなければならないのである。ユーザー側も釈然としないものを感じながら、あまり深くは追求できないということになる。
 しかし碓井氏によれば、セブン-イレブンは自社用に開発されたシステムを、他ユーザー向けに流用してもよいと最初から認めてあげていたわけだ。なんとも太っ腹なことである。
 システムの説明を聞いて仰天したのが、セブン銀行用ATMの話。なんとあれ、WindowsNT上で動いていたのだそうだ。英断──というより、これはもう無茶である。みんなにそう言われた、と碓井氏も苦笑しておられた。
 それでもちゃんと動いていたのは、OSのソース公開をしてもらったからだそうだ。駄目もとで頼んでみたら、マイクロソフト社からOKの返事が来たという。なんでもやってみるものである。
 ほかにアサヒスーパードライは販売チャネルがなかったため、セブン-イレブンで売ってもらって人気が出たとか、そういう裏話が非常に楽しかった。
 しかしこの楽しさはセブン-イレブンの話が聞けたことによる楽しさであって、サービス工学が面白いかとなると、そこは疑問符つきである。そのへんは産総研さん、どうなんでしょうか。

 というところで、満を持して産総研から持丸正明さんが登壇。サービス工学の研究例を説明してくれた。
 観測、分析、設計、適用というサイクルを繰り返すことで、サービスという曖昧なものを情報化しようとする試みがある。好みを入力するとどんな映画を見ればよいか教えてくれるシステムだとか、現在位置や予算などから条件に合ったレストランを教えてくれるシステムなどを研究しているらしい。

 後半は宮崎大学医学部の荒木先生、IBMの日高さんが加わってのディスカッション。
 それまで個人の中にしかなかった知識を「みえる化」する、つまり情報共有すると、議論がしやすくなるという話が出た。
 宮崎大学医学部付属病院ではカルテをすべて電子化し、クリニカル・パスと呼ばれる治療の工程表を作っているという。なんでこんな投薬をしているのか、おかしいんじゃないのか、といった感じで問題点が明らかになっていくらしい。
 なるほど、とは思うのだが、いささか意地悪な気持ちも出てくる。クリニカル・パスそれ自体はすばらしいものだと思うのだが、はたして他の病院に水平展開できるだろうか。トヨタの工場で「カイゼン」を行なうのと違って、病院でこうしたことを始めようとすると医師側から反発がありそうだ。「みえる化」されることに拒絶反応を示す先生は少なくないように思うし、そもそも医療を他のサービスと同列で論じるのは無理だという気もする。

 サービスを科学的に分析しようという考え方は面白いが、データとして成果を出しにくいのが難だと感じた。また、世の中にサービス工学の存在を知る人が少ないのも、つらいところ。世界的な不況の中、「今、製造業がヤバいんだから、関係ないものは後回しにしてよ」といった雰囲気になりつつある。
 まずはこの学問の存在を、世間に知らしめることが先決なのではないかという気がした。

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2008年12月16日 (火)

日本で使える電子ジャーナルプラットフォーム

 麻見和史です。今日はソフトウエアの仕事に関係のある、第8回 SPARC Japan セミナー2008『日本で使える電子ジャーナルプラットフォーム』に参加してきました。

 セミナーは一ツ橋の国立情報学研究所12階会議室にて。ここは小学館の少し先にある大きな建物で、以前竹橋の美術館から神保町まで出たとき、なんの施設だろうと気になった記憶がある。エントランスからエレベーターに向かうところに警備員が常駐し、不審者はここでシャットアウト。行き先を伝えないと中に入れてくれないのだ。別に悪いことをしようというわけではないのだが、こういう場面では妙に緊張します。

 今日のテーマの電子ジャーナルというのは、電子化された学術誌のことである。それをアップロードしたり購読したりするのに使うプラットフォームの国内代表例がJ-STAGE。WWWの時代になって、学術論文は学会誌に載せればそれでOKとはいかなくなった。電子化されていなければ存在そのものが埋もれてしまうし、引用される機会も減る。今や、自分の論文をどう宣伝するかという時代になっているそうだ。

 科学技術振興機構 研究基盤情報部 電子ジャーナル課課長代理の久保田壮一さんから「J-STAGEの現況と今後の計画」についての説明があり、これを聞いて、だいたいのイメージがつかめた。現在使用されているのはJ-STAGE2だが、利用する学協会の要望を一部取り込み、次期システムJ-STAGE3を開発する予定だという。全文PDFとなっているのをXML化したいというのだが、相当な作業量になりそうだ。

 後半、海外で使われているプラットフォームの代表例として、Atypon Systemsの人が仕様を説明してくれた。
 PCを持参してきていたようなのだが、システムのデモをしようとしてログインできず、「オー、なんか昨日のうちにパスワードが変わってしまったようです」と英語で弁明をしておられた。ありがちです。

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2008年12月13日 (土)

情報の海~「新聞」という船

 麻見和史です。本日は東京大学大学院情報学環、読売新聞東京本社主催のシンポジウム『情報の海~「新聞」という船』を聴講してきました。

 会場となったのは東大本郷キャンパスの福武ホール。赤門から正門方向へ歩く途中の塀際にあるのだが、入るのは初めてである。安藤忠雄さんの設計だという。細長い場所に頑張って建てた感じで、設計者の苦労がしのばれる。
 会場は地下二階。中に入ってみて驚いた。多くの場合、ホールというのは縦長に作られるものだが、200人収容のこのホールは横長なのである。普段、長机の端に座るのが好きな私だが、ここでは左右の端だと講演者から遠くなる。それで、今日は真ん中に近い席に座った。
 正面壁のスクリーンは横に2枚設けられていた。パワーポイントの画面を映写すると、同じものが左右にふたつ並ぶ構造になっている。
 座って待つうち何か違和感があるなと思ったら、正面壁が斜めになっているのだった。こちらに倒れかかってくるように感じられる。壁に目が慣れてくると、今度は逆に、床が傾いているような錯覚に陥る。不思議なホールである。
 のちに講演者のひとりが語ったところによると、音響面にやや難があって、前にいると聴衆からの質問の声が聞き取りづらいとのこと。きれいだし面白いスペースなのだが、ちょっと癖があるというべきか。

 まず、基調講演が2本行なわれた。
 最初は読売新聞会長・滝鼻さんから、新聞業界の現状についてのお話。
 記者の世界はOJTが基本だが、10年で半人前、20年かかってようやく一人前になれるという。しかしその一人前になれるのは三分の一で、別の三分の一はまあまあ、残りの三分の一は「採用ミス」ではないかと思われる、とのこと。
 アメリカのトリビューン破綻の話も出た。日本では戸別配達をしているので、アメリカのようにすぐ新聞社が傾くということはないが、若者の活字離れもあり、厳しい状況にある。
 最近はネット上で報道を行なう市民ジャーナリストなどもいるが、新聞を支えるジャーナリストとは質が違う。ネット上のジャーナリズムには興味本位のものが多く、誹謗中傷も絶えない。高度に訓練された者でなければ正しい報道はできない。プロの仕事に素人が手を出すのは危険。ニュースは無料で得られるものだと思ってはいけない。対価を払ってこそ、価値あるニュースが手に入る。──といった内容のお話だった。

 二本目の講演は立花隆さんのもの。
 都内のシンポジウムに参加し続けていると、立花さんと遭遇する率が高くなる。立花さんのすごいのは、人文、社会、自然科学と、あらゆるジャンルに興味を持ち、取材を続けているところだ。当方も、なるべく偏らないよういろいろなイベントに参加しているが、理系、社会系両方でパネリストとして見かけるのは立花さんぐらいである。
 立花さんのお話は次のような内容。
 日本の新聞社がすぐに破綻することはないだろうが、新聞販売店は非常に厳しい状態である。新聞販売収入は73%ほどで、じつは販売店は折り込みチラシに頼る部分が大きい。そのチラシが今減っており、苦戦している。若者の新聞離れはゆゆしき問題。新聞記事、記者の質が下がることによる信頼性の低下も懸念される。記者クラブと当局とのなれ合いはないか? 新聞は、社会の暗部をえぐるべきである。言論機関として注意すべきなのは、言論という名の暴力にならないこと、扇動をしないこと、偏見報道をしないこと、誤謬をまき散らさないことである。

 ジャーナリストの武田徹さんは、最近、大衆の興味は専門的なものに移っており、「総合」したものが受けなくなっている、と指摘。また「一人ジャーナリスト」という言葉を提唱した。

 東大情報学環の准教授・林香里先生は、市民ジャーナリストの価値を認めるべきだと主張。新聞社などマスメディアが実践しているとする「客観報道」は本当に揺るぎないものか、じつは危ういものではないのか、と疑問を投げかけた。客観的に報道するとしながら、一方で記事の順位を決めたり「論評」を行なうことに矛盾はないのか、と述べる。

 滝鼻会長が退出したあとディスカッションとなり、ここが一番の見どころとなった。司会の吉見先生はこれを「激論」と呼んだが、いつぞやの航空機シンポジウムのような一触即発の状態に陥らなかったのは幸いだ。

 揉めたのは、武田さんや林先生が理論面からジャーナリズムを語ったのに対して、立花さんが「そういう抽象的なものには感心しない」と述べたことがきっかけ。
 武田さんは自身が記事も書くジャーナリストなので直接のダメージはなかったが、林先生はまさに理論を学生に教えているわけだから、ご自分の存在を全否定されたようにお感じになったのだろう。明らかに態度が硬化し、顔つきも険しくなった(ように感じられた)。
 その後も立花さんの話が続いたのだが、途中で林先生、事実関係の誤りを訂正するため「私、ジャーナリスト教育はやってません」と話に割り込んだ。緊張の一瞬だ。
 しかし立花さんは「ああそうですか」と軽く受け流して話の続きに戻った。結局、激烈な論戦には至らなかった。

 林先生たちの仕事は価値あるものだと思うし、だからこそ東大に迎えられたはずである。
 同じ大学の先生をやっているのだが、しかし立花さんは大学の外からものを見ている。学生のためにも新聞社のためにも、もっと大学でジャーナリスト育成をしたほうがいい、基礎理論よりも現場で役立つことを教えたほうがいいと、教育システムについての意見を述べたのだろう。ジャーナリズムを勉強しても新聞記者になれる人はほとんどいないという現状を憂えての物言いだと思う。ですので林先生、どうかそうお怒りにならないで……。

 刺激的で、とても勉強になるシンポジウムだった。しかし「新聞の衰退に、これといった打開策はない」とも受け取れる結論になってしまって、主催の読売新聞は、あれでよかったのだろうか。いや、聴講者としては3時間半、非常に楽しませていただいたんですが。

 直接の議論からは外れるが、読売新聞の藤田さんが説明してくれた新聞記事データベースはかなりの優れものであった。一式で500万円するとか。すばらしいものだと評価していた立花さんが、あれを購入したのかどうか、とても気になります。

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2008年12月 6日 (土)

第2回日本旅行医学会看護部会

 麻見和史です。本日は『第2回日本旅行医学会看護部会』に出席してきました。

 13時から東中野のホスピタリティツーリズム専門学校A館8階のホールにて。200人ぐらい入りそうな立派なホールだが、参加者は30名ぐらいだった。当方は部外者なのだが、せっかくなので一番前の席に座って聴講する。

 一般には知られていないが、日本旅行医学会は会員1600人を数える学会なのだそうだ。発足当初は旅行会社などから、
「旅のイメージが悪くなるから、旅行中の怪我や病気の話をするのはやめてくれ」
 と難色を示されたそうだ。しかし、その後理解も深まり、今では学会の活動に協力してくれる会社も多いという。

 従来の旅行医学は、海外渡航者に対する感染症対策の注射など、予防医学のイメージが強かった。しかし最近では、海外に出かけて治療を受けるという、あらたな動きが出てきているらしい。ロシアから中国の病院へ行くなど。

 日本人の場合、渡航してしまってから病気や怪我をすると、個人または企業の責任で治療するなり帰国しなければならない。しかし他国の例では、外国で旅行者が倒れた場合、政府がすみやかに帰国手続きをとってくれるところもあるという。頼もしいことである。それに比べて日本は……という話になってしまうのは、どんなシンポジウムでもよくあること。
 国によって良いところも悪いところもあるのだが、その学会、その当事者の目で見て一番制度の進んでいるところを例に挙げるわけだから、たいていの場合、日本は遅れているように見えてしまう。
 シンポジウムに出席し続けていると、だんだん「日本って駄目なんじゃないか」という気になってくる。実際にはそんなことはないはずで、日本はここが優れているという話をしてくれる人がいればいいのだが、あいにくこうした集まりは問題点を議論し合うのが目的なので、まずいところばかりがクローズアップされる傾向にある。

 看護師・山本さんの話を楽しみにしていたのだが、すでに知っていることと重複する部分がけっこうあった。時間が限られているので仕方ないとは思いますが。
 一方で、産業保健師の松木さんの話は新鮮、かつ刺激的。これは勉強になった。あとでちょっと調べてみよう。
 三番手、弁護士の原田先生のお話は法的な問題に踏み込んだもので、みんな神妙な顔で聞いていた。ツアーナースの責任といっても、実際にはケース・バイ・ケースとなることが多いから、何か事が起こってしまったら、これはもう覚悟を決めるしかないのだろう。

 迷ったのだが、結局懇親会はパスした。参加人数が少ないので、部外者がうろうろすると絶対目立つに違いない。

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2008年12月 4日 (木)

映画『X-ファイル:真実を求めて』

 麻見和史です。帰りに『X-ファイル:真実を求めて』を見てきました。

 冒頭の捜査シーンが大変よかった。真っ白な雪原を、FBIの捜査官たちが横一列になって捜索していく。何かに取り憑かれたように神父が走りだし、ここだ、ここを掘ってくれと叫ぶ。やがて雪の下から何かが出てきて──という、ぞくぞくするような展開。映像ならではの迫力が感じられた。

 途中、医学的な話が出てきたのだが、この部分だけはモヤモヤ感が残った。何か違うような気が……。しかし、いいのである。イメージが激烈なので、技術的な話はするだけ野暮というものだろう。

 題材と、その見せ方について、いろいろ考えさせられる映画でした。

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作品リスト

  • 沈黙する女たち(幻冬舎文庫)
    ◆内容紹介
    廃屋に展示されるように残されていた女性の全裸死体。それを撮影したものが会員サイト「死体美術館」にアップされる。「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ第2弾。
    (2017/10/6発売予定)
    【文庫書き下ろし】
    ----------------------
  • : <strong>水葬の迷宮: 警視庁特捜7 (新潮文庫)</strong>

    水葬の迷宮: 警視庁特捜7 (新潮文庫)
    ◆内容紹介
    捜査で判明する新たな事実によってパズルのように埋まっていく謎解きの興趣。緻密な伏線が冴える本格捜査ミステリー。
    ★本書は『特捜7 銃弾』の文庫版です。
    (2017/9/1発売)
    【四六判を文庫化】
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  • : <strong>蝶の力学 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)</strong>

    蝶の力学 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
    ◆内容紹介
    遺体の首に挿された青い花。猟奇的な装飾に戦慄する殺人分析班は、新聞社に届いた挑戦状らしきメールに言葉を失う。
    (2017/7/14発売)
    【ノベルスを文庫化】
    ----------------------

  • : <strong>奈落の偶像 警視庁捜査一課十一係</strong>

    奈落の偶像 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    〈警視庁捜査一課十一係/如月塔子〉シリーズ最新第九作。日本最大の繁華街で起きた殺人事件に、女性刑事・如月が挑む!
    (2017/7/6発売)
    ----------------------

  • : <strong>永久囚人 警視庁文書捜査官</strong>

    永久囚人 警視庁文書捜査官
    ◆内容紹介
    殺人予告か非業の手記か──。謎の小説を解読せよ! 奇妙な幻想小説どおりに殺人事件が! 文字マニア・鳴海理沙警部補が謎に迫る。
    (2017/3/25発売)
    ----------------------

  • : <strong>警視庁文書捜査官 (角川文庫)</strong>

    警視庁文書捜査官 (角川文庫)
    ◆内容紹介
    捜査一課に設置された文書解読班。文章心理学を学んだ鳴海理沙警部補は、右手首が切断された不可解な殺人事件を捜査する。現場に残されたカードの意味とは?
    (2017/1/25発売)
    【四六判を文庫化】
    ----------------------

  • : <strong>共犯レクイエム―公安外事五課 (ハルキ文庫)</strong>

    共犯レクイエム―公安外事五課 (ハルキ文庫)
    ◆内容紹介
    〈裏切者(モグラ)は誰だ!? 上司を、同僚を、監視する女〉──公安部に異動になった篠原早紀は、東欧スパイを調査する傍ら、組織内の裏切者を探すことに…。
    (2016/12/15発売)
    【文庫書き下ろし】
    ----------------------

  • : <strong>女神の骨格 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)</strong>

    女神の骨格 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
    ◆内容紹介
    洋館で火災が発生。鎮火後、隠し部屋で発見された白骨遺体は、頭部が男性、胴体が女性だった! この家でいったい何が? 如月塔子シリーズ第六弾の文庫化。
    (2016/11/15発売)
    【ノベルスを文庫化】
    ----------------------

  • : <strong>雨色の仔羊 警視庁捜査一課十一係</strong>

    雨色の仔羊 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    SOSメッセージの書かれたタオルを手掛かりに、如月塔子と鷹野は捜査を開始するが…。事件の鍵を握るのは九歳の少年? 十一係シリーズ第八弾。
    (2016/11/8発売)
    ----------------------

  • : <strong>死者の盟約 特捜7</strong>

    死者の盟約 特捜7
    ◆内容紹介
    傷のない遺体の顔に、なぜ犯人は包帯を巻いていったのか? 心配性の岬と楽天家の里中が捜査を開始する。TVドラマ化された『特捜7 銃弾』の続編!
    (2016/3/22発売)
    ----------------------

  • : <strong>聖者の凶数 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)</strong>

    聖者の凶数 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
    ◆内容紹介
    アパートの空き部屋で、顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。腹に書かれた「27」は何を意味するのか。如月塔子と鷹野は年末の上野界隈で捜査を開始するが…。
    (2016/1/15発売)
    【ノベルスを文庫化】
    ----------------------

  • : <strong>蝶の力学 警視庁捜査一課十一係</strong>

    蝶の力学 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    資産家夫妻の殺人・誘拐事件が発生。相棒離脱の中、如月塔子はこの猟奇的な事件を解決できるのか? シリーズ第七弾!
    (2015/12/3発売)
    ----------------------

  • : <strong>深紅の断片 警防課救命チーム</strong>

    深紅の断片 警防課救命チーム
    ◆内容紹介
    「少女が閉じ込められている」それは犯人からの119番通報だった…。命を弄ぶ凶悪犯に立ち向かうのは、命を助ける術しか持たない、救急隊!
    (2015/5/27発売)
    ----------------------

  • : <strong>虚空の糸 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)</strong>

    虚空の糸 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
    ◆内容紹介
    刺殺遺体が握っていたナイフの意味とは。犯人は二億円を用意できなければ、都民を一人ずつ殺害すると予告。殺人分析班が推理する!
    (2015/5/15発売)
    【ノベルスを文庫化】
    --------------------

  • : <strong>警視庁文書捜査官</strong>

    警視庁文書捜査官
    ◆内容紹介
    文章心理学を使って殺人犯を追跡する捜査官・鳴海理沙登場!
    (2015/1/29発売)
    --------------------

  • : <strong>女神の骨格 警視庁捜査一課十一係</strong>

    女神の骨格 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    発見された白骨は、男性の頭部と女性の胴体だった。刑事・如月塔子が事件の真相を追う!
    (2014/12/3発売)
    --------------------

  • : <strong>屑の刃 重犯罪取材班・早乙女綾香 (幻冬舎文庫)</strong>

    屑の刃 重犯罪取材班・早乙女綾香 (幻冬舎文庫)
    ◆内容紹介
    腹部に煙草の吸い殻と空き缶を押し込まれた遺体。CS放送記者・早乙女綾香が取材に走る!
    (2014/10/9発売)
    【文庫書き下ろし】
    --------------------

  • : <strong>特捜7: 銃弾</strong>

    特捜7: 銃弾
    ◆内容紹介
    警官殺しと両腕のない死体。一課のエースと変わり者の女性刑事が謎を追う!
    (2014/5/22発売)
    --------------------

  • : <strong>水晶の鼓動 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)</strong>

    水晶の鼓動 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
    ◆内容紹介
    殺人現場は、部屋中真っ赤に染められた「赤い部屋」だった。東京を震撼させる連続爆破事件との関連はあるのか――。
    (2014/5/15発売)
    【ノベルスを文庫化】
    --------------------

  • : <strong>聖者の凶数 警視庁捜査一課十一係</strong>

    聖者の凶数 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    顔と腕が損壊された死体。その腹部には《27》という謎の数字が記されていた。新米女刑事・如月が挑む、もっとも残酷で哀しい事件!
    (2013/12/5発売)
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  • : <strong>蟻の階段 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)</strong>

    蟻の階段 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
    ◆内容紹介
    惨殺死体と共に発見されたのは頭蓋骨・白い花・掛け時計・スープ皿。一体何を意味するのか。殺人分析班が卓越した推理力で犯人に挑む。
    (2013/10/16発売)
    【ノベルスを文庫化】
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  • : <strong>石の繭 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)</strong>

    石の繭 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
    ◆内容紹介
    モルタルで固められた惨殺死体発見――犯人より愛宕署特捜本部へ電話が。新米女性刑事・塔子が交渉相手となったが。本格警察ミステリーの白眉。
    (2013/5/15発売)
    【ノベルスを文庫化】
    ★文庫化にあたり、ノベルス版に加筆訂正を行いました。以後の文庫も同様です。
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  • : <strong>虚空の糸 警視庁捜査一課十一係</strong>

    虚空の糸 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    「見抜いた!」と思ったら“見抜かされていた”、この衝撃!――宇田川拓也さん(ときわ書房本店)
    人質は東京都民1300万人。前代未聞の警視庁脅迫事件!
    (2013/4/4発売)
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  • : <strong>ヴェサリウスの柩(創元推理文庫)</strong>

    ヴェサリウスの柩(創元推理文庫)
    ◆内容紹介
    解剖中の遺体から発見された告発文。黒い絨毯の上で踊る死者──大学医学部で次々起こる不可解な事件。若き女性解剖学者が医学教室の謎に挑む! 第16回鮎川哲也賞受賞作。
    (2012/5/30発売)
    【四六判を文庫化】
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  • : <strong>水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係</strong>

    水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    部屋中真っ赤に染められた「赤い部屋」で殺人事件が起き、新人刑事・如月塔子と相棒の鷹野は遺留品の捜査を開始する。
    時を同じくして、都内各所で連続爆破事件が発生。 果たして、「赤い部屋」の謎と東京の運命は?
    (2012/5/8発売)
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  • : <strong>蟻の階段 警視庁捜査一課十一係</strong>

    蟻の階段 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    新米女刑事・如月塔子が挑む、新たな難事件
    頭蓋骨、白い花、掛け時計、スープ皿――遺体の周りに残された奇妙な四つの品の意味とは? 本格ミステリの緻密さと警察小説の迫力が融合! 好評シリーズ第二弾
    (2011/10/6発売)
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  • : <strong>石の繭 警視庁捜査一課十一係</strong>

    石の繭 警視庁捜査一課十一係
    ◆内容紹介
    警視庁捜査一課の女性刑事を描く骨太小説!モルタルで固められた死体と大ポンペイ展の石膏像との関係は?捜査本部にたびたび電話をかけてくる大胆不敵で異常な犯人と、捜査一課の女性刑事との攻防始まる。
    (2011/5/10発売)
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          ↑
    2008/10月~2011/4月
        暗黒時代
          ↓
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  • : <strong>真夜中のタランテラ</strong>

    真夜中のタランテラ
    長編第2作。
    【在庫なし・文庫化の予定なし】
    (2008/9/30発売)
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  • : <strong>ヴェサリウスの柩</strong>

    ヴェサリウスの柩
    第16回鮎川哲也賞受賞作。大学医学部を舞台に「解剖」と「遺体」を描いたミステリーです。献体された「ご遺体」から謎の脅迫状が発見され、その記述に従うように不気味な事件が発生します。【在庫なし】
    (2006/9/30発売)